友人に言ったら笑われるかもしれないけれど、ロマンポルノにはまったのは完全に映画好きが高じた結果でした。きっかけは、尊敬している先輩から「邦画を語りたいならロマンポルノは避けて通れない」と言われたひとことで、作品ロマンポルノレビューなども参考にしながら半信半疑のまま観始めたのが数年前のことです。

最初はどこか身構えていました。エロい映画でしょ、という先入観がどうしてもあって。でも再生してみたら、冒頭からちゃんとした人間ドラマが始まるんです。場末のスナックで働く女性の話だったり、不倫相手との逃避行だったり。登場人物に背景があって、感情の動きがあって、気づいたら物語に引き込まれている自分がいました。

アダルトビデオとの違いを実感したのは、まさにそこでした。アダルトビデオはいわば目的がはっきりしていて、観る側も最初からそれを求めている。でもロマンポルノは違います。ストーリーの積み重ねの中で人物への感情移入が生まれて、その先に絡みのシーンが来る。だからこそ、単なる性描写以上のものとして体に響いてくるんです。文脈があるエロさ、とでも言えばいいのか。濡れるのは画面の中だけじゃなくて、こちらの想像力も一緒に動き出す感じがしました。

監督によって作風がまるで違うのも面白くて、同じロマンポルノというくくりの中に、叙情的な詩のような作品もあれば、ひたすら暗くて重い人間劇もある。自由度の高さが、かえって作り手の個性を引き出していたんでしょう。

エロさって、結局は想像力の話なんだなと、ロマンポルノを観て初めて腑に落ちた気がします。