2年前、ふとしたきっかけで陶芸を始めた。友人の結婚祝いに、手作りの器をプレゼントしたくて、近所の工房の体験教室に申し込んだ。初めて粘土を触った時、柔らかくて冷たい感触に癒された。先生に教わりながら、ろくろを回したが、形がぐにゃぐにゃに。

笑いながら何度も挑戦し、なんとかコップが完成。焼き上がった作品は歪んでいたけど、友人は「世界に一つだけ!」と喜んでくれた。それがきっかけで、週末の陶芸教室に通うことに。土をこね、形を作り、釉薬を選ぶ過程は、まるで自分と向き合う時間。仕事のストレスも忘れ、無心になれる。

ある日、常連のおじいさんが「陶芸は人生みたいだ。失敗しても、また土に戻せばいい」と教えてくれた。その言葉通り、割れた器を砕いて新しい作品に生まれ変わらせたことも。1年後、初めて個展に出展し、知らない人に「味のある器」と褒められた時は感動した。陶芸は私に、失敗を恐れず挑戦する勇気をくれた。今も工房の土の匂いが大好きだ。